主役は、服ではない
服よ、黙れ。
(天下堂【アパレル】) ● CW:高橋 修宏
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思わず目を引くインパクトと攻撃性を秘めたフレーズ。
実際の広告*1では、この6文字で紙面の3分の2を埋めているから尚更です。
そして、引き込んだ後に読ませる、ボディコピーも秀逸です。
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いまや街は、服のお喋りがうるさくて、
思わず耳を塞ぎたくなります。
かと言って、いまの服にそれほどの
語彙があるわけではないので、
フルボリュームで同じことの繰り返し。
これは、どうもたまりません。
たしかに服は、その人物を語ります。
しかし、ただ服のお喋りにまかせ、
それ以上を語れない服は、
どんなに高価であっても野暮なものです。
装ったとき、無駄なお喋りをやめる服。
あなた自身を静かに語りはじめる服。
それが、きっと似合う服なのです。
何が自分の仕事なのか。
何が趣味であるのか。
何に憤り、何によろこびを感じるのか。
迷いながらも、つかえながらも
自らの言葉や行動、
そして装いで語っていくこと。
それが、男にとっての服との
つき合い方なのではないでしょうか。 ----------------------------------------------------------------------
想いとこだわり・哲学が、文章のすみずみまで感じられます。
それが、UNIQLOのようなファストファッションであっても、
ボロボロの作業着であっても、
伝えたいのは、着ている人の格好ではなく、佇まい。
服を語らなくても、
着ている人が輝いていれば、
それが服を語ることにもなっている。
その人が輝く場で選ばれる服でありたいという
プライドにも感じます。
↓これは、自分の付き合いたいと思った服のひとつです。