今日のコピー 〜素人キャッチコピー論評〜

1日1個を目標に、心に響いたキャッチコピー・フレーズなど、自分なりに語ります。

こういう「きゅうくつ」は、わるくない

きゅうくつは、うまい。

(1983 【世界コミュニケーション年】東京新聞) ●CW:岩崎 俊一

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お酒を飲まない人のために紹介すると、
あの有名な新宿ゴールデン街
渋谷のガード近くの酒場などは、
一軒一軒が、はなはだ狭い。4〜5畳くらいのところに、
大の男が10何人もひしめいて飲んでいるんですね
(中には立ちっ放しで飲んでいる人もいる)。
何もそんな狭いところ(お店の人、ゴメン)で
飲むことはないでしょ、と言いたくなるんですが、
男たちはトロけそうなほど幸せな顔をして飲んでいる。
そんな(ある意味で不思議な)光景に出くわすたび、
ああ、この人たちは、人に会いに来ているんだな、と思う。
話を飲みに来ているんだ、と思う。
人を酔わせることができるのは、
結局人だけかもしれない、と思うわけです。
その証拠に、「私、お酒は一滴もダメで」などと
言う人がその中にいて、そしてその中の誰よりも
しっかり酔っているふうに、見えるのです。
体温があるから、コミュニケーションは美しい。

ボディコピーがすばらしいですね。

知らない人を前提にしているからこそ
導入(紹介文でハードルを下げる)
→描写(風景から想像力を刺激する)
→実感(ぐっと場との距離を縮める)
→理由(実感の描写で説得力をもたせる)
といった一連の流れも、
読み手を自然に引き込み、そのまま読ませてしまいます。

思わず、自分もその場に行きたくなってしまいました。
文章の内容にも、人と人とが触れ合う場の魅力が詰まっています。

 

新宿ゴールデン街・花園街案内

新宿ゴールデン街・花園街案内