痛快をつくる
団塊は、
資源です。
団塊は熱
いるだけで密度のちがう空気を放つ
団塊は波
引いたかと思えばまた寄せてくる
団塊は数
ばらばらに見えてたちまち整列をする
それが自覚的であれ無自覚的であれ
団塊はその魂で 前にある壁を蹴散らし
あとには瓦礫と足跡を残す
埃っぽく騒々しい しかしそこには痛快がある
日本はこれからも年齢を重ねていく
しかし老いとはちがう何かが待っている気がする
かつてどの時代 どの国でも起こっていないことを
団塊がしでかしてくれる気がする
団塊はエネルギー
しぶといしぶといエネルギー
きっと団塊は死ぬまで退場しない
あとの人々は半ばあきれながらも楽しそうに
彼らの背を追いかけて
(2007 宝島社) ●CW:前田 知巳
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最初の一文であるキャッチコピーだけを読んだ時は
よくわかっていませんでした。
ボディコピーにやられました。
なんだか、コピーというより
詩のような空気さえ感じましたが、
行間や、言葉の端々から、
エネルギーが伝わりました。
まるで、いい小説に出会ったときに似たような
こちらまで力をもらえるコピーでした。
団塊に限らず、じぶんたちの世代を当てはめて
考えたい。そんな気にさせられました。