今日のコピー 〜素人キャッチコピー論評〜

1日1個を目標に、心に響いたキャッチコピー・フレーズなど、自分なりに語ります。

月の始めにファイナリスト

通勤時間が20分短くなると、
年少30%UPと同じだけ幸福度があがる。
という調査結果があります。
つまり、
あなたの年収が500万円なら、
150万円もらえるようなものです。

【アットホーム/住み替えがしたくなるコピー】


揺れるだけなら、人は死なない。

【エヌ・シー・エヌ/「耐震の家」を伝えるコピー】



「この店好きね」と言われたら、
飽きてきたという意味です。

【カカクコム/「食べログ」ならどんなお店でも探せることが伝わるコピー】



知らない店は、知らない人が知っている。

【カカクコム/「食べログ」ならどんなお店でも探せることが伝わるコピー

 

人生で一番シェアするものは、
しょう油かもしれない。

キッコーマン/和食の魅力をあらためて広めるコピー】


上を向いた企業にしか、クラウドは見えない。

【FIXER/日本企業がクラウドを活用して飛躍するイメージを伝えるコピー】

(2015 【第53回宣伝会議賞ファイナリスト】)
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今回は、先日発表された「第53回宣伝会議賞」のファイナリスト(最終選考)に残った作品より、ぱっと見で自分に響いた作品(コピーのみ)をピックアップしてみました。

【アットホーム】
データをしっかりと見せたビジネスライクな書き方に、
何だか、一瞬アメリカのキャッチセールスの本にでも載っていそうな印象を一瞬想像しましたが、読むと効果があるようにすごく思えてきます。
最初の結果は、変換の単位が変わっているのに、それを同じ単位に置き換えただけで、こんなにも価値があることが感じられるんですね。
このデータもどこから探してきたのか…。秀逸です。

【エヌ・シー・エヌ】
見た瞬間、「やられた」と思ったコピー。
確かに、揺れるだけなら死なないんです。
揺れるだけなら……揺れるだけですから。
人の間に、物が介在しているから、建物が壊れたり、津波が来たり、原発が止まったりするわけです。
今回の場合は、耐震に強い家というのが課題テーマなので、津波原発は少し違うかもしれませんが。
地震と人の間にある部分を、しっかりと突いた素晴らしいコピーだと思いました。

【カカクコム】
カカクコムは2点ありました。

1点目は、何気ない恋人同士の会話を引っ張りだしていますが、解釈の仕方に「なるほどな」と
頷かされました。
そして、その奥にある彼女側の気持ちが、なんとも深いです。
相手と自分との温度差を鋭く描きながら「お店を探す行為」を想像させる。
やっぱり深いです。

もう1点は、当たり前のように見過ごされていることを突いたコピー。
誰でも思いつきそうなのに、思いつけない、こういうの。
こういうコピーをサラッと書けるようになりたいものです。

キッコーマン
和食の魅力を〜と課題テーマではなっていましたが、
結局、和食で一番使われる調味料は「しょう油」だという部分を訴求することで、キッコーマンの存在価値もしっかりと表現できています。
前回の同クライアントの金賞コピー
「世界にはまだ、しょうゆをかけるとおいしくなるものが、いっぱいあると思う。」
にも、通ずる世界の広がりがコピーから感じられます。
和食に「シェア」という英語の組み合わせも、新鮮で今風な空気感も感じられます。
和食で一番使われるといえば、味噌汁の「味噌」も思い浮かんだりもしましたが、しょう油の手渡しする感じが、人間味があって「シェア」という言葉に合っている気がします。
コピーを見た後、食卓の風景が、頭に浮かびました。

【FIXER】
課題のテーマにも見事に合致している「上を向く」という行為が、とても前向きに感じられます。
日本人だからかもしれませんが「上を向く(上を向いて歩こう)=悲しい」という印象を受けてしまいそうな捉え方を前向きに変換しているのも◎。
上を見ているからこそ、新しい技術(=クラウド)にも目を向けているべきという企業への訴求に加え、そういえば、上を見あげると、空には確かに「雲=クラウド」があるんですね。
視点・表現の巧みさに、感心してしまいました。

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今回は、色々紹介してみましたが、やはり良いコピーは、語るのに困らないですね。
勝手に、想像が膨らむ余地があるんですよね。
今回は、前回より、課題数が減って、応募数もやや少なくなったようですが、ファイナリストの数が多くて、質も高いものが多かった気がします。