相手に伝わる手ざわり
万年筆は、時間がかかる。
でも、その時間は、
相手を思う時間になる。
メールのように、電車や街角で書くことはできない。
ケータイのように、すぐに声を聞くことはできない。
万年筆は、たしかに、
少し不便で、少し時間のかかる道具です。
椅子に腰かけて、背筋をすっと伸ばす。
その人の顔や声を思い浮かべながら、
書き出しの最初の言葉を探す。
頭の中で下書きをしながら、
どんな顔で読んでくれるだろうと想像をしながら、
ペン先を動かす。ゆっくり、ゆっくり。
万年筆と一緒に、あなたが手にするのは、
少し立ち止まる時間。
それは同時に、大切な誰かを思う時間。
慌ただしく流れていく日々に、
そんな時間をつくるのも悪くない、と思いませんか。
万年筆は、時間がかかる。そこが、いい。
書く、を支える。 PILOT
(2012 PILOT) ●CW:後藤 彰久
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手作業の良さ、手しごとの良さを伝えています。
万年筆の不便さを前提として示しながらも、
万年筆を使う風景を想像させ、徐々に読む人を引き込んでいます。
そして、風景の先に提示する気付き。
提案まで示しながら、最後は、万年筆の価値を伝えています。
読んだ後に残る余韻は、
この構成・流れがしっかりしているからこそ、
コピーが心に積み重なって生み出された手ざわりのように感じます。
グラフィック側も、万年筆で手書きで表現することで、より伝わりますね。