今までできなかったことを例にする
満員電車の中で、チラシを広げた。
(2016【凸版印刷・Shufoo!(シュフー)を使ってお買物に出かけたくなるアイデア】
第53回・宣伝会議賞 ●CW:山中 彰)
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本日、宣伝会議賞のグランプリが発表されました。
前回はファイナリストの中から選んでみましたが、
今回は協賛企業賞の中から選んでみました。
従来の習慣では、まずなかった部分と
新しい「スマホで見れるチラシ」という価値観を上手にくっつけています。
その発想が(実際はスマホでアプリを見ているだけという行動を)
奇抜な面白さとインパクトに変換させていますね。
このフレーズだけでは、「使い方の発見」を教えている内容ですが、
結果的に使えるとユーザーが思えば、別の目的で電車に乗っていたのに、
「ついでに買い物もしようかな」と無意識に行動につながる気がしました。
新しいサービスによって生まれる行動・習慣の価値を
伝わるように紹介する。
名コピー「おしりだって、洗ってあげたい」と同じ意識を感じます。
この発想力が身につくようにしていきたいものです。
あわせて読みたい
ちゃんと伝える大切さ
最期の、ありがとう。
(20?? 【ブランドコピー】葬儀会館TEAR ●CW:???)
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ちょっと調べ物をしていて、ある葬儀屋さんのブランドコピーが
目にとまりました。
あくまで推測でしかないのですが、
たぶんこのコピーはプロがしっかりと考えたものだろうな
と感じました。
何も捻っていない、当たり前のようなことを言っていながら、
しっかりとその会社がどういうことを大切にしたいのかが
伝わるメッセージになっています。
余談ですが、ちょうど小霜和也さんの本を読んだ翌日に出会ったコピー。
しっかりと書かれていた内容にも合致していると感じました。
ユーザーを気持ちよくさせることで動かす
見ためで勝負しなくたって、
味でくどける彼女は無敵だ。
(2011 【ヤマサ鮮度の一滴】ヤマサ醤油 ●CW:神戸海千代)
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料理と人と食卓の関係を上手に捉えたコピー。
料理の調味料関係で、こういうコピー多いですね。
女性が共感しそうな、さりげなく少し料理を作る女性を持ち上げるバランス感覚。
こういうコピーだと、あまり商品のことをダイレクトに訴求せず、間接的な部分を表現するので、素人の自分には「?」と思ったりする部分も多いのですが、細かい品質を謳うよりも、そういうイメージを訴求した方が、大多数の人(特に女性)が家庭料理に向きあいたくなる幸せイメージなのかもしれません。
結果的に、料理に繋がることで、この商品のイメージもUPするということでしょうか。
醤油の鮮度と関係するのかは不明ですが、グラフィックでは、新鮮そうな野菜を前面に出したビジュアルで「鮮度」という部分の印象づけを狙っているのかもしれません。
(Photo from コピーライター年鑑2011)
当事者が気づかない視線
立ってる電車に乗ってるとき、
座っている人の目線は、
アナタのおなかのあたりに
向けられる。
(2011 【BIOドリンクタイプ】ダノンジャパン ●CW:葛西 洋介)
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普段の日常を鋭く洞察したコピーですね。
何気なく、過ごしていて見落としがちな視点に思わずドキッとしてしまいます。
通勤の途中でも手軽に摂取できる商品という部分でも、しっかりと機能していますね。
思わず、駅の売店やコンビニで一緒に買ってしまいそうです。
(Photo from コピー年鑑2011)
有名な岡本欣也さんのJT広告のコピーもこれと同じように
日常に潜む問題点を鋭い視点で捉えることで、人の危機意識に働きかけています。